夜になると私は、真夜中になると我々は
皮膚に浮いた錆を爪で剥がす様に、
必要のない事象に気をそぞろにしてしまった。
軋んで腐り始めた自分の奥歯を、
まるで他人事の様に感じていた。
泳げない魚、飛べない鳥、肉を食えない肉食獣。
流れない川、浮かばない雲、肉の乗らないニーソックス。
凍えた肉体の末端が殊更に熱を感じるように、
対極から対極へと。
洋酒入りのチョコを食べて酔っ払った幼馴染が、俺の目の前で服を脱ぎ始めちゃった!
1.指を入れるな。
冬の岬
真冬の爪先
有形無形を問わない定期
空砲で死んだ間抜けな人間
犬の唾液で目を洗う
夢に向かって進もうかな、摺り足で。
仮に新築でまだ誰も住んでいない、完全に綺麗で一度も使用されていないことが保証されている家だとしても、排水口ってなんか触りたくないじゃないですか。
実際に汚れているかはともかく、根本的に忌避したくなるような感覚、わかりますか?
そんな感じで、赤ん坊を模した柔らかい素材の人形と、あと鈴、触れないんですよね、僕。
汚いからとか、明確な理由があるわけじゃなくて、言語化出来ないんですけど…なんか、根源的?な衝動として「触りたくない」と感じるんですよね。
嫌じゃ♡人の子など孕みとうない♡
↓
嫌じゃ♡赤ん坊を模した柔らかい素材の人形とか鈴など触りとうない♡
夜になると私は、目的も当て所もなく歩き始める。
真夜中になると我々は、煙を吐いて涙を流す。
2.目を凝らすな。
この世で始めてナマコを食べた人間の度胸たるや…。
↓
この世で始めて大きな乳房をデカパイと呼び始めた人間のセンスたるや…。
俺今まで2回死んだことあるけどまだ残機97個ある。
あと父親が8人いて母親が27人いる。
しかもカーテンのWikipediaに本名と住所が晒されてる。
この前ピンク色のUFO見た。
こ の 前
ピ ン ク 色 の
U F O 見 た 。
インコのオスは求愛行動として吐き戻した餌をメスの方に流し込むんだけど、ペットとして飼育されてると鏡に映った自分や飼い主にもその行動を取るらしくて、インコを飼ってる人たちはその行動を俗にラブゲロと呼ぶらしい。
中学の頃に付き合ってた女の子と撮ったプリクラを車体の裏側に貼ったラジコンカー(2個)を両足に括り付けて高速移動しようかな。
夜になると私は、剥がれ落ちる皮膚を拾い集める。
真夜中になると我々は、化石になったあなたの周りの固い地面を優しく削る。
夜になると私は、吹奏楽部の夢を見る。
真夜中になると我々は、あれ?出かける時ちゃんと鍵閉めたっけ?と思う。
夜になると私は、氷を握って水にする。
真夜中になると我々は、息を潜める。
夜になると私は、窓の方を見ないように努める。
真夜中になると我々は、窓の方を見ないように努める。
夜になると私は、アスファルトで靴の底を削る。
真夜中になると我々は、日の昇らないうちから開店の準備を始めるパン屋さんを見て「俺にとっては真夜中だけどパン屋さんにとっては早朝だねぇ!」と思う。
夜になると私は、鏡を見ないようにする。
真夜中になると我々は、鏡の事を忘れる。
夜になると私は、置いてきた弟のことを思い出す。
真夜中になると我々は、苦労をおかけします。
夜になると私は、真夜中になると我々は。
夜になると私は、真夜中になると我々は。
夜になると私は、真夜中になると我々は。
廊下で躓いて転んだ拍子に委員長のスカートを咄嗟に掴んで脱がせちゃった!
夜になると私は、
真夜中になると我々は。