刺激的な夏の日

 春、俺の心は完全に始まった。

咲き乱れる桜の花びらが空気に混ざり切って完全に桃色だった。アパートの窓から差し込んでいた。

 

家を飛び出した俺は川に飛び込んだ。桜の花びらで満たされて桃色に(完全に)揺蕩う水面に飲み込まれた。

 

──時を経て再燃する恋のように。

 

 

家を出た瞬間に雨が強くなる事ってありませんか!?あれ完全に世界に否定されてますよね!!オヒョ〜!

 

Wi-fi浴びすぎて髪の毛青色になってきた。

 

今あなたに伝えたいStand By Me……夢みたいな景色を見せてあげたい、可愛い妖精が吐いた虹色のゲロを詰めた小瓶。テレビの中のお花畑。俺の足音が完全に雷鳴と同じ音になる瞬間。夜を通り抜けるための船が完成したから、次は昼をやり過ごすための複葉機を作っています。

 

俺のオリジナルの魔道書の12ページ目には喘息を治すための呪文が載っている。でもそれは電卓を美味しく食べるための呪文と酷似していて、俺はいつも間違えないか不安で泣いてしまう。8年前からずっと足が痺れている。ピンク色のUFOが空に浮かんでいる。家を出ようとするとデカい虎が横たわっている。免許もないのに車に乗って、勘で運転してしっかり事故る。

 

 

同級生が拾ったライターで公園のシュロの木を丸々一本燃やしたらしい。

 

 

桜の花びらと一緒に川を流れていると、始まった心が完全体になるのがわかった。あまねく全きあらゆる全てが螺旋になって飛び交った。

川沿いに目をやると一際大きな桜の木が生えていた。あまりにも花が咲きすぎて枝がしなっていて、まるで俯いているようだった。

 

 

お気に入りのブラウスと、最近買ったミニスカート。ボーダーのニーソックスを履いて街に繰り出した。とびきりのお洒落をした可愛い俺は視線を釘付けにしていた。

その時、敵対組織の風使いが繰り出したかまいたちが襲いかかった。服はビリビリに破れて、俺は自分の腕で自分の体を抱いてへたり込んだ。恥ずかしくって涙がポロポロこぼれた、1匹の蝶が自力で月までたどり着いた。5分だけ海が虹色になったけど、それに気づいた者は誰一人居なかったという……。

 

 

3日連続学校をサボった俺の家に、ついに学級委員長がやってきた。

 

「昆虫くん、なんで学校に来ないの?みんな待ってるよ?」

──クラスの奴らは毎日俺を殺すための科学を研究しているから。

「…?よくわかんないけど、昆虫くんを殺そうとしてる人なんて、クラスにいないよ?それに昆虫くん、2学期の頃は普通にみんなと仲良くしてたよね?」

──普通って何?お前に俺の何がわかる?

「ご、ごめん、気に障ったなら謝るね…?」

──雷がなんで落ちるか知ってるか。

「えっ?か、雷?えーっと…」

──甘みという味覚は本来存在しない、全員が集団で幻覚を見ている。

「昆虫くんさっきから何言ってるの…?」

俺はもう我慢が出来なくなって、両方の目からいい香りのする涙を流した。

「昆虫くん…なんで泣いてるの?」

──牡蠣が海水をろ過し続けているから。

 

 

 

引き出しを開けたら拳銃が入っていたから、俺はそれを持って家を出た。向こうから歩いてきた小学生がランドセルから拳銃を出して銃口をこちらに向けたから、俺も焦って拳銃を抜いたけど間に合わずに眉間を撃ち抜かれてしまった。真っ青な空と浮かんでいる雲が見えて、明日会う約束をしている友達のことを思い出した。

 

 

みんなに愛を伝えたくて毎日愛の言葉を紡いでいたら、全部の愛を使い切って誰も愛せなくなってしまって、ハードオフで中古の美少女フィギュアを買って、昔通ってた中学校から1番近い海まで行って砂浜に埋めました。そこからは、美少女フィギュアの実がなる椰子の木が生えたと言う…………。

 

 

 

 

えっちな美少女フィギュアの実がなる椰子の木が生えたと言う…………。