夜空の下で癇癪を

今夜の月ってなんだかとっても素敵だわ!

 

そう思った俺は靴も履かずに外に飛び出した。

 

午前3時の街を疾走する俺の姿に眠った草木も飛び起きて拍手を送った…。

 

 

【こんな自販機は破壊すべきだ】

毒スープ ¥320

バゲット ¥600

 

 

インターネットを自在に泳ぎ回る俺たちに死角はない。情報の波を乗りこなし、リテラシーを炸裂させる。

今年もインターネットに桜が咲きました。インターネットの桜は薄い青色で、そよ風をソーダ水みたいに薫らせる。ガーターベルトを裾から覗かせる短い丈の修道服を着た爆乳のシスターが巨大な十字架を振り回す。

 

この前ピンク色のUFO2個見た。

 

 

学童保育に置いてあったハンドソープ、マジで絶妙なミントグリーンでめちゃくちゃ好きな色だった、でも俺は手を洗う事が大嫌いだったので誰かが使ってるところを横から盗み見ることしか出来ませんでした、生まれてこのかた一度も手を洗った事がありません。そしてこれからも洗う事はないでしょう。学童保育で腹這いになってドラゴンボール読んでたらなんか急に気持ち悪くなって普通にカーペットの上にゲロ吐いちゃったけど知らん顔して帰った、そのあと歯医者行ったら奥歯に子グマが2匹住んでるって言われて嘘だろって確認したら3匹住んでた、治療費8.500円だった。治療した後の子グマの剥製を記念に持って帰った。

 

 

俺ってデジモンでいうとまだまだ幼年期です。酸の泡とかめちゃくちゃ出すし。

 

 

茶店での待ち合わせに遅れて辿り着くと、彼はやめたはずのタバコに火を着けていた。うすら甘い煙を口から吐きながら私に気づいて小さく手を振った。

右の足首に枷が付けられていてて、そこから伸びる鎖の先には巨大な鉄球が有った。

彼はこの鉄球のせいで喫茶店から出られない、私と彼が知り合ったのは2年前だが、そのずっと前から喫茶店で暮らしているらしい。

彼は彼自身が考案したオリジナルドリンク、やっこオレ(牛乳と豆腐をミキサーで混ぜたもの)を飲んでいた。

気持ち悪いものを飲まないでください…。

 

 

歳を重ねるにつれどんどんセミが無理になってきています。

 

このブログの目的→厄祓い

 

 

走り疲れた俺はバス停のベンチに腰を下ろした。その時だった。今まで生きてきた21年間で起きた嫌な出来事、恥ずかしい失敗、忘れたい記憶が濁流のように押しよせた。顔が真っ赤になって耳からは嘘のように血が流れ出た。

俺は奇声をあげながら頭を掻き毟り、アスファルトの上を転げ回った。高校受験の時に駅の字が書けなくて泣いてしまった時のことを思い出しました。舌が攣った。俺は奇声をあげながら頭を掻き毟り、アスファルトの上を転げ回った。明後日には俺の母校で祭りが開かれる。喘息の発作を起こして上手く呼吸が出来なくなる。吸入薬の苦い蒸気の味を思い出す。

 

俺は夜空の下で癇癪を起こす。初恋の女の子は就活をしている。

俺は夜空の下で癇癪を起こす。留学していた後輩が帰ってくる。

俺は夜空の下で癇癪を起こす。風呂上がりに扇風機で髪を乾かす。

俺は夜空の下で癇癪を起こす。電車の窓から知らない街の夜景が見える。

俺は夜空の下で癇癪を起こす。俺は夜空の下で癇癪を起こす。

俺は夜空の下で癇癪を起こす。月の裏では新品のスニーカーを履いた女の子が汗を拭う。

俺は夜空の下で癇癪を起こす。寿命のない生き物が川の流れに身を任せている。

俺は夜空の下で癇癪を起こす。俺は夜空の下で癇癪を………………。

 

 

 

 

 

第29回 歯磨き下手すぎ選手権優勝 昆虫